全互協の社会貢献基金制度
助成先団体結果報告
2.中部学院大学吹奏楽部
テーマ
福祉施設訪問演奏(デイサービスあかつき)
概 要
当大学で福祉を専攻し専門職になることを目指している吹奏楽部部員が福祉施設において、音楽療法を取り入れた吹奏部の演奏活動を行う。また、演奏の前後には、福祉士資格取得に必要な介護実習の内容を取り入れて施設利用者との交流を図り、将来的な施設との関係づくりを行なうことにより、介護人材の不足への対応にも寄与する。
実施内容
平成28年12月、岐阜県関市内にあるデイサービスあかつきにおいて、約30名程の施設利用者の方々を対象に音楽療法を取り入れた演奏会を行った。演奏会の開催が決まると、まず事前調査を入念に行った。聴衆の人数、年代、演奏時間、身体状況、演奏場所など、演奏効果(音楽療法の効果)に影響を及ぼす可能性のあるものを聞き取り、音楽療法の効果を最大限得られるように配慮した。デイサービスあかつき以外にも、9月に関市内の敬老会で音楽療法を取り入れた演奏会を行った。
小物楽器のカスタネット及びリングベルを利用し、聴衆にも音楽に参加してもらうために必要な演出を考え、多彩なバリエーションの演奏形態を取り入れた。また、演奏前には利用者の方とのコミュニケーションを図り、音楽療法の効果が上がるような工夫を凝らした。
事業者のコメント
演奏会を実施するため、音楽療法を取り入れた演奏ができるよう楽器別の講師の先生に指導いただいた。特に演奏効果が高いと言われている楽器(ハープ、オーボエ、サックス、ホルン)を優先的に取り組んだ。楽器の音色が音楽療法に向いていると言われているオーボエでは、オーボエ奏者の田中先生に吹奏楽譜を編曲していただきながら、演奏方法までをご指導いただいた。今回講師の先生方に指導いただいたおかげで、ある程度のノウハウを取得できたことは大きな収穫である。
今回の事業では、ビデオカメラ及びパソコンを用いて演奏活動を反省材料として記録し、自分たちの取り組みを映像を通して客観的に捉えるようにした。課題や改善点を共有することができ、次の演奏活動にむけて有意義な討論をすることができた。
音楽療法に取り組む上では演奏会の進行役が重要な役割を果たすことになるが、進行役を一人に設定することが多かったため、進行役に過度な負担がかかり、スムーズに進行できないことが反省材料として挙がることが多かった。
今回の取り組みで、当部と福祉施設との交流が生まれ良い関係作りができた。12月に開催した定期演奏会には、多くの施設利用者の方にご来場いただいた。
今回の活動で1番感じたのは、自分たちの演奏活動を客観的に知ることが反省点を共有するために必要不可欠だということだ。演奏中の姿、聴衆の表情など、演奏中では確認できなかったことを映像で確認することができ、有意義な講論を行うことができた。今後に繋がる学びを得たので、今後も福祉施設での演奏活動を積極的に行い、当部と福祉施設の関係を深めていきたいと思う。