全互協の社会貢献基金制度
助成先団体結果報告
3. 社会福祉法人 桜雲会
テーマ
バリアフリー・ブックレット「みんなで学ぼう!大事にしたい和の伝統行事」作製・普及事業
概 要
日本で伝統的に親しまれてきた行事の由来や意識などをまとめ、盲人、盲ろう者が容易に活用できるよう点字併記版・CD版で作成し、全国の盲学校、点字図書館、盲人協会や自治体、希望者に配布する。
実施内容
社会福祉法人桜雲会は、1892年(明治25年)に東京盲亜学校の盲学生の同窓会として発足し、1952年に社会福祉法人桜雲会となり、この間112年に渡り日本最古の医学書専門点字出版所として情報提供を行なっている。
今回の事業では、日本で伝統的に親しまれてきた年中行事が、一年を通じて人と人とをつなぐコミュニケーションを育むことから、年齢や障害の有無にかかわらず点字出版によって再認識しようとするものである。
事業では、活字と点字を併記し、音声CDを一つのセットにした、バリアフリーブックレットを作成した。編集では、わかりやすい説明と行事を示す図(鏡餅、鯉のぼり)を点図で表現し、視覚障害のある方がよりイメージできるような編集を行なった。
また、完成後は、点字毎日新聞、視覚障害者協会が発行する音声公報にて成果物の広報活動を行なうと共に、福祉関係施設や教育機関、団体などの希望する方々に配布を行なった。
参加者のコメント
視覚障害のある方々にとって伝統行事というテーマ性は非常に重要度が高いものと考えられる。点字図書は、鍼灸・按摩等の職業参考書や哲学・語学の分野の参考書が出されているが、いずれも分量が多いことから、必要な内容を編集した本書は使いやすく、今後もテーマを変えた生活実用書の作成を要望する声は多い。
本事業の成果物は、年齢や障害の有無に関係なく、“みんなで”共有できる物であり今後も継続的に事業を行なうことで、障害者差別を解消し、共生社会への発展に寄与するものである。