全互協の社会貢献基金制度
助成先団体結果報告
東京大学大学院 総合文化研究科 超域文化科学専攻 博士課程 田中大介
施設職員と葬儀社の協働による、老人ホームでの一貫したターミナル・グリーフケア
調査は冠婚葬祭互助会、専門葬儀社、農協などを対象として、東京都・埼玉県・神奈川県・群馬県・新潟県・石川県・大阪府・徳島県・香川県・福岡県で実施された。「葬儀サービスに内包されうケア的側面の事業化」に関する現状把握では、第一は葬儀・グリーフワーク型、第二にCSR型、第三は遺体ケア型、第四は高齢化包括ケアと位置付け、葬儀業は単なる物質的サポートに留まらない精神的支援に属するケアを手がけていると同時に、老齢期の最終局面におけるサービスの担い手の性質を強めている。またその一方で、ケア的事業を利潤獲得のサイクルに乗せることに多くの事業者が経営上の困難を感じており、中には事業展開を断念したケースもある。これに対して葬儀業に対する地域住民の需要はほとんどの地域で一定の質量を伴って存在し、かつ葬儀業がそれらのケア事業を手がけることへの嫌忌感も著しく寡少な割合でしか観察できなかった、としている。高齢化に呼応するには、業界全体としての総合的思索が求められている、と結んでいる。