冠婚葬祭マナー

会葬側のポイント
通夜

通夜に出席するときは?

通夜とは
通夜は故人の霊を慰め、最後の一夜を共に過ごすためのもので、参列するのは遺族、親しい友人、近隣の人たちというのが本来の姿です。とはいえ今日ではこのほかの人たちにも参列の機会を設けるのが当り前となっています。
故人との縁が薄い人は遺族を配慮する意味で、読経が終わったら早めに辞去するよう心がけましょう。

 

通夜の服装
基本的には派手なものでなければ平服でかまいません。どうしても喪服をという場合は、大げさにならぬよう略装にしておきます。

 

通夜見舞い
弔問客の応対や葬儀の準備などであわただしい遺族が、手間をかけずに食べることができるよう、親族や親しい友人などが持参する軽食のことです。通夜見舞いには、おにぎり・サンドイッチ・のり巻き・お菓子・果物・ジュース・お酒などが適当です。

 

拝礼のしかた
通夜は人の出入りが多く混乱しがちなので、ほかの参列者に失礼のないよう十分に注意します。和室では膝行膝退(しっこうしったい)を心がけ、人の前を通るときは「失礼します」と一言挨拶するか、軽く会釈して中腰で進みます。

 

線香での焼香

    

1. 遺族に一礼して祭壇の少し手前まで進む
2. 祭壇に向かって一礼し、焼香台の前に進んで合掌する
3. 線香を取ってろうそくの火を移し、香炉に立てて合掌する。
炎が出たら吹き消さず、手であおぐように消す。
4. 少し後ろへ下がって遺族に一礼し、向きを変えて席へ戻る。

 

抹香での焼香

    

線香の場合とほぼ同じですが、3.の部分は、右手の親指と人指し指、中指で少量の抹香をつまみ上げるようにしながら軽く頭を下げ、香を静かに落として合掌します。

 

回し焼香

    

会場が手狭なとき、あるいは祭壇まで順次移動する混雑や時間を省きたいときなどに、香炉と香が参列者の間に回されることがあります。
席に着いたまま順番を待ち、隣の人から香炉を受け取ったら、祭壇の前と同じ要領で焼香して次の人に回します。
葬儀・告別式の拝礼も基本的にはこれと同じです。立礼も座礼もほぼ同じ要領で行います。

 

通夜ぶるまいの受け方  
故人とともにする最後の食事で、供養、お清め、弔問のお礼などさまざまな意味がこめられているようです。席に着くのは故人ととくに親しかった関係にあった人だけですが、そうでない人も遺族に勧められたら一口でも箸をつけます。
遺族は心身ともに疲れている上に翌日に葬儀を控えているので、出席者は遅くとも夜9時頃には辞去したほうがよいと思われます。ただ、一度に帰ってしまうと、遺族に寂しさを感じさせるかもしれません。頃合いを見計らい、席を立ちましょう。
通夜のとき、遺族は弔問客の出迎えや見送りをしないのが慣習となっています。そばに行って一言挨拶するか、それが無理なら目礼だけで辞去しても失礼にはあたりません。

 

仏教用語に注意

「冥福(めいふく)」「供養(くよう)」「成仏(じょうぶつ)」「追善(ついぜん)」などは仏教用語ですから、神道やキリスト教では使いません。神道では「帰天(きてん)」「永別(えいべつ)」「他界(たかい)」、キリスト教では、「昇天(しょうてん)」「帰天(きてん)」などを使います。

 

「供物」は神道の言葉

供物とは、もともと神事のとき、神前に供える飲食物のことでした。現在は弔事用の贈りもの全体を指す言葉となっています。