解約手数料裁判について
平成28年11月1日
当協会の会員である㈱日本セレモニーにかかる福岡高裁判決(平成27年11月5日)について、原告(特定非営利活動法人消費者支援機構福岡)が上告受理申立をしていたところ、平成28年10月18日、最高裁は受理しないとの決定をしました。これにより福岡高裁判決が確定することとなりました。
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(参考:福岡高裁判決の主要ポイント)
- ①解約金条項については、訪問販売に当たるものについては特商法10条1項4号が、それ以外については消契法9条1号が適用される。
- ②「平均的な損害」については、会員の募集に関する人件費、会員の管理に関する人件費、会報誌関連費用、保全費用等が含まれる(概ね日本セレモニーの主張どおり)。 (説明)
- ①互助会契約の解約手数料についての裁判は、平成20年に京都の特定非営利活動法人京都消費者契約ネットワークが、解約金条項使用差止請求を申し立てて以降、全国で約10の訴訟が提起され、判決が出されてきました。それらのうち大阪、名古屋、福岡の各高等裁判所の判決について上告受理申立がなされてきましたが、いずれも不受理決定がされました。
- ②これらにより、「平均的な損害」の認定に関し、会員(消費者)の主張に近い大阪高裁判決、互助会の主張に近い今回の福岡高裁判決、中間的な名古屋高裁判決が、判例として確定し併存する形になりました。
- ③こうした中にあって、経済産業省は、解約手数料のあり方についての研究会を立ち上げて検討を行い、平成25年12月に「冠婚葬祭互助会の解約手数料のあり方等に係る研究会報告書」を公表しております。
- ④(一社)全日本冠婚葬祭互助協会としましては、解約手数料については、各互助会がそれぞれ経済産業省の研究会の報告書及び判例を参考にして算定し、会員(消費者)の皆様に適切に説明できるようにしておくことが大切であると考えております。