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集計結果
1. 祝儀の平均額と、最多回答額
本調査は、披露宴に出席した方を対象としています。従って、ここで集計される祝儀金額は、お祝い金と披露宴でのお食事代ということになりますから、出席しない場合よりもその分高く算出されます。
右の表は、新郎新婦との関係ごとに祝儀の最多回答額と平均額をもとめたものです。表を見てわかるように、各関係ごとに見ても、兄弟姉妹、叔父叔母の関係に当たる場合を除き、3万円が最も多いようです。
披露宴の1人当たりの料理単価はだいたい1万円から2万円ですから、披露宴に出席した場合、3万円が相場と言うのも頷けます。また、会費制の披露宴であれば、1 万円から2 万円が相場と考えることが出来るでしょう。
次に勤務先関係の祝儀の平均額を見ると、勤務先の同僚や部下が贈る場合よりも、上司として贈る場合の方が高くなっています。勤務先においては、横の繋がりよりも上下の関係を重視する傾向があるのかもしれません。親戚関係は、高額な祝儀を贈るケースもあることから、平均額は全体的に高くなっているようです。
(1)新郎新婦との関係別の祝儀(回答別割合)
祝儀の金額を決める大切な要素として、新郎新婦との親しさの度合い、お付き合いの深さがあります。新郎新婦との関係ごとに、その回答の構成割合を見ることによって祝儀の最多回答額だけではわからない実態や傾向を見ることが出来ます。
右の表は、平成19年度に実施された前回調査での祝儀の最多回答額と今回の調査により求められた最多回答額を、新郎新婦との関係別にまとめたものです。
その結果、叔父・叔母で金額が多くなりましたが、それ以外では最多回答額はほとんど変わりませんでした。
ところが、祝儀金額の構成割合を見ると、関係によっては、全体に占める割合に変化が見られます。
次に挙げる円グラフは、新郎新婦との関係別に贈った祝儀金額の回答割合(%)を表したものです。そして、円グラフの下の棒グラフは、平成19年度に実施した前回調査での回答割合(%)と平成24年度に行った今回調査の結果を比較したものです。
例えば、「兄弟姉妹」「叔父・叔母」「従兄弟・従姉妹」「その他の親戚」のように親戚関係の回答割合(%)を見ると、最多回答の占める割合はだいたい40%から50%台ですが、最多回答額と次に多い回答額との割合の差は大きくありません。一方、それ以外、つまり「勤務先の上司」「勤務先の同僚」「勤務先の部下」「取引先関係」「友人・その家族」といった関係では、最多回答額はいずれも3万円で共通しており、その全体に占める割合がとても高くなっています。従って、祝儀の相場や傾向を考える上で、親戚関係とそれ以外の勤務先や友人などの関係とは 分けて考えた方が良いでしょう。親戚関係では、一律に相場の金額を贈るのではなく、関係の深さが金額を決定する上で、より重要となってきているのかも知れません。
(2)地域別に見た祝儀の最多回答額と平均額
下の表は、地域別に祝儀の最多回答額と平均額をまとめたものです。最多回答額も地域によって異なる場合があるので、 全国集計より正確な目安となるでしょう。
地域別に見ると、前回調査では、全国的に金額が近づきつつある傾向が見られました。今回も同様の傾向があるようです。
ただし北海道では、勤務先や友人関係において平均額が低くなっていますが、これは会費制の披露宴が多いからでしょう。
(3)世代別に見た祝儀の最多回答額と平均額
下記の表は、各世代、新郎新婦との各関係別に祝儀の平均額と最多回答額を集計したものです。「兄弟姉妹」「叔父・叔 母」では年代の上昇に伴い最多回答額も増えています。また、平均額を見ても、年齢が高くなると祝儀も高くなる傾向に あるようですが、「取引先関係」ではむしろやや低くなる傾向が見られます。
2. あなたは六輝を気にしていますか?
六輝は、古代中国の陰陽五行説に基づく六つの日のことで、吉凶を定める基準と言われてます。今でも、よくカレンダーに「先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口」といった六輝が表記され、冠婚葬祭の日取りを決める際、参考にしたりします。そこで、現在どれくらいの人が六輝を意識しているのかを調べました。
集計の結果、「気にする」と答えた人が全体の31.5%、「余り気にしない」と答えた人が47.2%、「全く気にしない」と答えた人が21.3%でした。
「気にしない」と「余り気にしない」を合わせると、68.5%人が六輝を気にしてないという結果になりました。 既婚者と未婚者を比較すると、左のグラフのとおり、既婚者の方が気にする人が多いようです。
逆に未婚者になると、「気にしない」「あまり気にしない」の合計が73.0%となっており、気にしない傾向が強く表れてい ます。
男女比較では「気にする」は男性が45.3 % で、女性が54.7%でした。女性の方が六輝を気にかけてる人が多いということがわかります。
(1)地域別回答と回答割合(%)
次に地域別に回答数及びその割合(%)を まとめると、次項の表のようになります。「気 にする」が最も多かったのは、「北海道」「南 関東」で、最も少ないのは「九州」でした。 但し、いずれの地域も「余り気にしない」 が約40%~50%台と六輝に対して曖昧な意識 の人が多いことから、今後、「気にする」、「気 にしない」のどちらに傾倒するのか興味深い ところです。
(2)世代別回答と回答割合(%)
回答を世代別に分けて収益すると右の表のとお りとなります。
一般的に結婚して新郎新婦となるのは、大体20代~30代が中心でしょう。そう考えると、50代 ~ 60代が親の世代ということになります。
下のグラフで各世代の回答割合を見ると、20代と30代、50代と60 代で、それぞれ傾向が似ているのがわかります。いわゆる、親の世代(50代と60代)と子の世代(20代と30代)で意識の違いがはっきりと出ているところが興味深いところです。
3. あなたが希望する挙式形態は?
挙式形態における趣向の変遷は、ブライダルの流れやトレンドを見るうえで大切な要素と考えられます。本調査では、披露宴に出席した者を対象に行ったものですので、未婚者に限らず既婚者にもご回答頂きました。従って、本調査では、年齢を見ても20代~60代以上までと幅広く、未婚者の場合は挙式をするとした時の希望挙式形態、既婚者の場合は自分の子供に望む挙式形態又は参列者として出てみたい挙式形態ということになると考えられます。
従って、本調査項目では、既婚者未婚者の区別を集計のKEYとして必ず別々に集計するものとします。
右上の表を見てわかるように、未婚者と既婚者では、希望する挙式形態が明らかに異なるのがわかります。また、全回調査に比べ、未婚者の神前式希望割合(前回調査:19.8%)が増えているところが興味深いところです。
(1)地域別回答割合(%)
地域別に回答を見ると、未婚者の場合、どの地域もチャペル式が全体に占める割合が高く、特に「北海道」「東北」「北関東」「南関東」「四国」では70%を超えており、「東京」「中部」でも同様に高い数字となっています。しかし、「九州」では他の地域に比べ神前式の割合が高くなっています。
既婚者の場合、やはりチャペル式の割合がどの地域においても高くなっているものの、未婚者に比べれば低くなっている地域が多くなっています。「九州」では神前式の割合が、チャペル式にかなり近いものなっていることがわかります。どうやら未婚者に比べると、既婚者の回答は特定の挙式形態に傾倒していない傾向があると言えそうです。
(2)世代別回答割合(%)
右の表は、未婚者の回答を各世代ごとにまとめ、その割合(%)を一覧にしたものです。20代の未婚者が望む挙式形態を見ると、神前式を希望する未婚者は11.8%、無宗教式は6.5%、その他が5.6%であったのに対し、チャペル式は76.2%と大きく上回っており、圧倒しています。
また、チャペル式を希望する人が最も多いのは各世代とも共通ですが、40代ではチャペル式46.1%に対し神前式が37.1%と接近し、50代では逆転しています。なお、60代についてはサンプル数が少なかったため、有効なデータとはなっていないようです。
右の表は、既婚者の回答を各世代ごとにまとめ、その割合(%)を一覧にしたものです。
傾向的には、20代と30代では、未婚者の場合とそれほど変わりありません。40代では未婚者と同様、挙式形態に分散傾向がみられ、神前式とチャペル式の数字が近づいています。
また、既婚者は、既にいずれかの挙式形態で式を挙げた経験があるわけですから、それを踏まえての回答ということになります。表を見る限り、若い世代ほどチャペル式を希望し、年を重ねるごとに神前式への興味が高くなる傾向がわかります。
無宗教式についてもわずかながら、年齢を重ねるごとに関心が高くなるようです。