刊行物・レポート
祝儀(結婚祝い)等に関するアンケート調査
はじめに
結婚する二人に対して周囲が種々の形で祝福することは自然な感情、行為であり、その一つとして、かっては新婚生活で必要となる品物などを贈ることが一般的でしたが、現在ではお祝いとして《現金を贈る》ことが主流となっています。それでも陰陽五行説の影響なのか、ハレの場に現金を包む場合は陽数(奇数)にするべきで、但し9だけは“苦”に通じるから避けるものである等々、さまざまな習俗が色濃く残っているようです。
一方、贈る際の金額の多寡ですが、贈る人と贈られる人との関係によりそれぞれ異なってくるのは当然とはいえ、具体的にはどれ位の金額が相応なのかということが多くの人々の関心になっているのも事実です。また、同じ立場であっても地域によって金額に差があるのだろうか、ということも大きな問題と考えられます。
当協会には、割賦販売法に基づいて経済産業大臣から営業を許可された「冠婚葬祭互助会」事業者約2 3 8 社が加盟しており、加入者及び各地域の消費者の皆様方より“結婚式”に利用して頂く施設として、北海道から沖縄に至るまで、結婚式場、ホテル、チャペルなどを数多く保有しています。
そこで、当協会では、傘下の結婚式場で行われた結婚式・披露宴のご参列者、ご出席者の皆様方にお願いをして、平成9年度より5年毎に「祝儀」についてのアンケート調査を行うことにしており、このほど第4回目の調査と してまとめることが出来ました。
本調査が皆様方の儀式を取り巻く生活の中においてお役に立てば幸いです。
一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会
広報・渉外委員会
調査概要
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- (1)調査目的
- 国民の儀式生活に関する意識調査、基礎資料の収集
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- (2)調査対象
- 全互協に加盟する冠婚葬祭互助会が直営する施設で行われた披露宴の出席者
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- (3)調査方法
- 披露宴会場において、出席者にアンケート票を配布
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- (4)調査期間
- 平成24年10月1日~平成25年4月12日
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- (5)配布部数
- 80,000部
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- (6)回答数
- 3,040件(回収率:3.8%)
配布したアンケート票の内容
調査対象者
冠婚葬祭に伴う儀式は、昔から地域のしきたりや慣習によって他の地域では見られない特色を育みながら受け継がれています。そうした背景から、地域性は、祝儀の決定に大きく関わっていると考えることができます。また、人は人生経験を積み重ねていくとともに、人間関係もより広くより深くなることが考えられますから、日頃のお付き合いや親しさの度合い、年齢なども祝儀の金額を決める重要な要素と言えます。
本調査は、地域や新郎新婦との関係、年齢などの視点から、祝儀の金額を集計することを試みています。
◆回答者の地域別内訳
全国約400の結婚式場にアンケート票を送付し、新郎新婦の許可を得た披露宴会場で出席者にアンケート票を配布したところ、得られた有効回答は3,040件でした。その有効回答を地域別にまとめると、内訳は次のとおりです。この報告書では、アンケートの集計結果から地域性を出せるよう予め10の地域に分けて集計しています。
また、世代別に分類した回答を「既婚/子供有」、「既婚/子供無」、「未婚」にまとめると、次のようになります。20代は未婚者が中心です。30代も未婚者のほうが多いのですが、結婚して子供を持つ人の割合も多くなっています。また、子供のいない既婚者は20 代・30 代が多いというデータとなりました。