香典に関するアンケート調査（平成28年度）

はじめに

　「香典」は、もともとは「香奠」と書き、仏式葬儀の際に、故人に由縁のあった人が「香木」を持参して焚き供えたことから始まったとされていますが、時代とともにその性格も変わっていき、会葬者が遺族に対して葬儀費用の一部を扶助するという機能も含め、現在では金銭を贈ることがしきたりとなっています。また、本来、葬儀に「香」を使用する慣習のない神式やキリスト教式の葬儀においても、我が国では不祝儀袋の表書きをそれぞれの宗教用に書き換えて持参することが習慣となっています。

　「香典」として贈る金額は、故人との関係や年齢などによって差があることは当然予想されますが、参列する側にとってみれば非常に気になるところです。しかし、これまで具体的な金額について調査したデータは極めて少ないものでした。

　そこで、葬儀業者の団体として全国的な組織を持ち、年間の葬儀取扱い数でもトップシェアを持つ当協会が、平成8年より5年毎に「香典」に関するアンケート調査を実施しております。今回で5回目となり、前回実施の5年前との比較から家族や親戚関係や経済環境等、種々の環境の変化も読み取れます。

　この種のデータとしては、現時点において本資料が最新且つ地域的な広がり、及びサンプル数の上でも最大のものと思われますので、生活者の皆様が葬儀に参列される場合の参考にして頂ければ幸いです。

一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会
広報・渉外委員会

調査概要

(1)調査目的

国民の儀式生活に関する意識調査、基礎資料の収集
(2)調査対象

（一社）全互協に加盟する互助会が受注した個人葬に参列した会葬者
(3)調査方法

「通夜」又は「告別式」において、喪家の承諾を得て会葬者にアンケート票を配布
(4)調査期間

平成28年10月1日～平成29年3月31日
(5)配布部数

90,000部
(6)回答数

7,425件（回収率：8.25%）

配布したアンケート票の内容

調査対象者

　香典の金額は、地域的慣習や故人との関係とその深浅によって変わることが多いようです。また、人は人生経験を積み重ねるとともに人間関係もより広がり、より深くなることが考えられますから、年齢も香典の金額を決める重要な要素の一つと言えます。
本調査は、地域や故人との関係、年齢などの視点から、香典の金額を集計することを試みています。

◆回答者の地域別内訳

　個人葬への参列者を対象とし、会葬時にアンケート票を配布したところ、得られた有効回答は7,425件で、各地域別の回答数内訳は次のとおりです。本アンケートの集計結果から地域性を出せるよう予め10の地域に分けて集計しています。

【単位：件】

	北海道ブロック	計	東北ブロック	計	北関東ブロック	計	東京ブロック	計	南関東ブロック	計	合計
都道府県名	北海道	563	青森県	43	茨城県	85	東京都	329	神奈川県	155
			岩手県	235	栃木県	120	山梨県	19	静岡県	234
			宮城県	73	群馬県	73
			秋田県	111	埼玉県	294
			山形県	79	千葉県	99
			福島県	422	新潟県	190
					長野県	49
計	563		963		910		348		389
	中部ブロック	計	近畿ブロック	計	中国ブロック	計	四国ブロック	計	九州ブロック	計	合計
都道府県名	愛知県	263	大阪府	477	鳥取県	51	徳島県	29	福岡県	630
	三重県	303	兵庫県	391	島根県	8	愛媛県	73	佐賀県	34
	岐阜県	129	京都府	13	岡山県	59	香川県	132	長崎県	252
	富山県	150	福井県	38	広島県	165	高知県	65	熊本県	154
	石川県	133	和歌山県	29	山口県	253			大分県	10
			滋賀県	5					宮崎県	108
			奈良県	20					鹿児島県	105
									沖縄県	90
計	978		1,039		536		299		1,400		7,425

地域名	割合（％）
北海道	7.5
東北	12.9
北関東	12.2
東京	4.6
南関東	5.3
中部	13.2
近畿	14.0
中国	7.3
四国	4.1
九州	18.9

◆故人との関係別回答数

　全回答を故人との関係別にまとめますと、回答数は次のとおりです。なお、アンケート票の選択肢にあった「勤務先の上司」、「勤務先の同僚」、「勤務先の部下」については「職場関係」に、「恩師・教え子」については「その他」に、集計の都合上まとめました。

故人との関係	回答数	割合（％）	故人との関係	回答数	割合（％）
祖父母	652	8.8	勤務先社員の家族	913	12.3
親	558	7.5	取引先関係	206	2.8
兄弟姉妹	173	2.3	恩師・教え子	63	0.9
叔父叔母	953	12.8	友人・その家族	1,124	15.1
その他の親戚	741	10.0	隣人・近所	812	10.9
勤務先の上司	330	4.5	その他	359	4.8
勤務先の同僚	452	6.1	合　　計	7,425	100.0
勤務先の部下	89	1.2

◆回答者の年齢構成

　回答者の年齢構成を把握するため、アンケート中、年齢に関する設問を設け、各世代別にもまとめて集計しています。それぞれの回答数は、次のとおりです。

年代	回答数
20代	626件
30代	1,214件
40代	1,909件
50代	1,827件
60代以上	1,849件
計	7,425件

◆前回の調査

1.前回調査の概要

(1)調査目的

国民の儀式生活に関する意識調査、基礎資料の収集
(2)調査対象

（社）全互協に加盟する互助会が受注した個人葬に参列した会葬者
(3)調査方法

「通夜」又は「告別式」において、喪家の承諾を得て会葬者にアンケート票を配布
(4)調査期間

調査期間平成23年10月1日～平成24年3月31日
(5)配布部数

80,000部
(6)回答数

4,956件（回収率：6.2%）

2.回答の回収状況

地域別の回答数内訳 [単位：件]

北海道	東北	北関東	東京	南関東	計
288	590	918	91	405	4,475
中部	近畿	中国	四国	九州
852	495	182	107	548

回答者と故人の関係

故人との関係	回答数	故人との関係	回答数
祖父母	331	勤務先社員の家族	600
親	227	取引先関係	152
兄弟姉妹	89	友人・その家族	720
叔父叔母	557	隣人・近所	555
その他の親戚	406	その他	281
職場関係	557	合計	4,475